いきなり重すぎるタイトルですが、さわりの話だけです。
私はコンサルタントでもコーディネータでも有りませんが、駐在時にインドに進出したいという会社のお手伝いをさせて頂いたことが有ったので、その経験から思うことを書いておこうと思います。
その会社は、開発・営業機能が日本本社にあり、製品を中国で生産しインドに輸出しておりました。
インド向けの輸出割合がかなり多かったようです。
当時インドへ輸出した製品はインドのある会社を介して客先の日系企業に納入されていたそうです。
その日系企業からは現地生産化を強く打診されていて、インドへ出るために仲介をしていたインドの会社と共に事業をする前提で話を進めていたのですが、何度話し合いをしても合意に至らなかったそうです。
話が行き詰まって困り果てていた所、ある人を通じて私の事を知り、コンタクトされてきました。
私は私で本業が有りましたが、時間が許す範囲内で日本の中小製造業のインド進出に関して無償でお手伝いしていました。
せっかく進出が難しいと言われるインドに出てこようというのですから、大したことはできなくても、自分のできることが何かの役に立つのであればとの想いからでした。
もちろん、出向元の日本の親会社の社長の了解を得た上での活動です。
その会社は相応の規模の企業でしたが、とにかくお困りのご様子でしたので、出向先のインドの親会社の社長に相談し、ご紹介することにしました。
私は、そのインドの親会社の社長と比較的話をする機会が多く、どの様な人か身近で見ていましたので、お願いするのが一番だと判断したのです。
結果、話はトントン拍子に進み、今では、現地工場も稼働、第2工場の準備も進んでいるそうです。
合弁の条件も、日本の会社の希望通りに決まったのですが、あまりにも前のインド企業の対応と違うので何か裏があるのではないかと疑っておられたくらいです。
ある時、それまでの途中経過を横で見ていた私に、どうしてそのインド人社長が、そんな風に考えるのか信じられないからと何度も私に理由を尋ねられました。
私から見ても、どうしてこの人はこの様に考えるのか不思議に思うことがたくさんありました。よく聞くインド人像とは似ても似つかないタイプなのです。
先に合弁を協議していた会社とは真反対の対応だったから、当然の疑問だと思いました。
私自身は、そのインド人社長に肩入れする訳でもなくできるだけ中立の立場で客観的に経緯を見て是々非々でお手伝いしようと決めていましたので、私なりの解釈を説明しようやくわかって頂きました。
私は今も仕事であるインドの会社と付き合っていますが、その会社の社長は折り紙付きの人物としてこの社長から紹介してもらった方なのです。
付き合いが始まって数年経ちますが、うまくいっていると思います。
私がこれらの経験を通してインドで事業をするにあたって思うのは、まず人。
どんな人に出会えるのかで展開が全く変わってしまうということです。
大半のインド人経営者は、よく聞くインド人像に近いのですが、稀にそうでないインド人もいます。
そういう人に何とかして出会うことが、マスト条件だと思います。
中小の規模で単独で海外へ出るのは、リスクが大きすぎるので核となる現地の協力者が必要です。
決定権のある人が、出会った人と、とことん話をして、納得できれば次のステップへ進めばいいと思います。
これができれば、後のことは作業ボリュームとしてはあるかもしれませんが、ただ粛々と処理していくだけです。
決意を持って、大胆に、細心の注意を払いながら慎重に進めていくのみです。
PtoCもいつの日か、インドにも根を張れるように準備を始めています。
本当に結果が出るのは、かなり先になりそうですが、少しづつ種まきをしています。